だいう ときどきにふる
大暑-大雨時行

新暦7月30日 から8月3日
公開日:2017年8月2日

 時節柄、大雨が降りやすいとされることから名づけられた候です。
 夏の夕暮れ、突然の雷鳴とともに激しい夕立に見舞われることがあります。青空にむくむくと立ち上がる入道雲が現れたら、夕立のサインかも。
 入道雲とは積乱雲のことで、雲の頂は一万m以上にも及ぶ巨大さです。たこ入道のような形になるのでこのように呼ばれる他、雷雲ともいいます。夏に多く発生して夕立や雷雨をもたらす雲です。少しユニークな別名としては、関東地方で坂東太郎、大阪地方では丹波太郎、福岡付近では筑紫太郎などそれぞれの地方で人格化された名前もあります。いずれも暴れ者の大男のイメージですね。古の人々は空を行く雲にも個性的な名前をつけて、日々の天候の変化に注意を向けていました。
 なお、入道雲は俳句では「雲の峰」の名があり、夏の季語となっています。

茶の趣向・心配り

掛物

【晴天白日怒雷走(せいてんはくじつ どらいはしる)】

 「晴天白日」とは一点の雲もなく晴れあがった空のことをいいます。そして「怒雷走」は突然に雷鳴がとどろきわたり、稲妻が走る様を表します。ちょうど「大雨時行」の本候にぴったりの言葉ですね。
 出典は『江湖風月集』で、中国・南宋時代の書籍です。宋末から元初めの禅僧の詩偈(しげ・仏の教えを詩の形であらわしたもの)をまとめたものになります。

香合

【鎌倉彫の蟹香合】

 この時季、鎌倉彫の蟹香合などいかがでしょう。
 鎌倉彫は木地に草花紋などを彫り、その上に黒漆、朱漆などを塗ったものです。その名の由来は、中国の堆朱(ついしゅ)を模して鎌倉を中心に作られたことによるとされています。

  ・堆朱……漆芸の加飾法の一つ。朱漆を何層にも厚く塗り重ねて、花、鳥、人物などを彫り出したもの。鎌倉時代に中国から伝わった。

茶花、季節の植物

【千日紅(せんにちこう)】

 千日紅はヒユ科の一年草です。熱帯アメリカの原産で、江戸時代に日本にやってきたそうです。高さ約50㎝ほどになります。よく枝分かれし、葉は長楕円形で細い毛に包まれています。花期は6月ころから9月末頃までと長く、紅色の小花が球状に集まった可愛らしい花をつけます。花期が長いので千日紅とも、また千日草とも呼ばれます。家庭の庭先や公園の花壇などでもよく栽培される、育てやすい花です。また、この花はドライフラワーにして楽しむことができます。ドライフラワーにしたら名前通り、千日も紅い花が楽しめるかも知れませんね。
 茶花としては、籠花入にほかの草花と一緒に活けるのがよいでしょう。

季節のお菓子、食べ物

【竹流し(たけながし)】

 竹流しは一般的に外回り2㎝あまり、長さ12㎝ほどの青竹に、薄紅色または白色の錦玉糖の柔らかいもの、または水羊羹を流し込んだものです。食べるときには節に小穴を開けて出します。
 水羊羹の竹流しは玄々斎(裏千家十一代)の発案によるものといわれています。用いるときには冷たい水でよく冷やしてから節に小穴を開け、籠などに盛って出すとよいでしょう。切り口を下に向けると出て来るので、懐紙に受けて、黒文字で切っていただきます。

【とうもろこし】

 とうもろこしは中南米の原産で、米、小麦とならぶ世界三大穀物の1つに数えられます。日本に伝来したのは1570年代で、本格的な栽培がはじまったのは明治時代からといわれています。品種は数千種にものぼりますが、現在国内でおもに食べられているのは糖分の多いスイートコーンの1種です。
 主な成分はでんぷんで、たんぱく質、脂質、糖質をバランスよく含んでいます。ビタミン類も多く、熱を加えても失われにくいのがとうもろこしの特徴だそうです。このビタミン類の働きは細胞の酸化を抑え老化防止に効果があり、動脈硬化の予防にも役立つのだとか。食物繊維も多いので、便秘解消にも効果ありそうですね。
 ひげが多いほど粒揃いで、毛先が茶色いものが熟して甘いとのことです。鮮度の低下がはげしい食品なので買ったその日のうちに食べましょう。残った場合には、ゆでてから保管するとおいしさが保てます。

茶趣・行事ごと

【宗久忌(そうきゅうき)】

 8月5日は今井宗久の忌日です。今井宗久(いまい・そうきゅう 1520~1593)は安土桃山時代の茶人です。堺の豪商で、武野紹鷗(たけのじょうおう)に茶の湯を学び、その女婿(娘むこ)となりました。小田信長、豊臣秀吉に茶頭として仕え、津田宗及(つだそうぎゅう)、千利休とともに三宗匠と称されました。

【箸(はし)の日】

 8月4日は、8が「は」、4が「し」の語呂合わせで、箸の日です。1975年に割り箸組合が「箸を正しく使おう」と制定したのが始まりです。使わなくなった箸の供養など、各地で箸に関するイベントが行われます。中でも有名なのは東京・永田町の日枝神社で行われる「箸感謝祭」です。この日、日枝神社では使用済みの箸に感謝し、延命長寿、無病息災を祈ってお焚き上げをして、箸を供養します。

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