ふかききり まとう
立秋-蒙霧升降

新暦8月14日 から8月18日
公開日:2017年8月18日

 濃い霧が立ち込める頃のことです。蒙霧とはもうもうと立ち込める霧のことをさします。
 霧は大気中に微細な水滴が浮遊するため、遠くのものがうっすらとぼやけて見える現象のことです。この現象について、古くは1年を通じて霧と言っていたのですが、平安時代以降は秋のものを霧と呼び、春に立つものを霞(かすみ)と呼ぶようになりました。また、気象観測では、視程1㎞未満のものを霧といい、これ以上のものを靄(もや)と呼ぶのだとか。
 二十四節気の立秋の末候にあたるこの時季になると、夕方には涼風が吹き始め、徐々に秋の到来を肌で感じられるようになってきます。

茶の趣向・心配り

【風鈴釜(ふうりんがま)】

 下部にかけてゆるやかに幅広になる、まるで風鈴のような姿をした釜です。
 秋が近づくこの頃になると、そろそろ風鈴も見納めになります。過ぎる夏へ思いをはせつつ、茶席に取り入れてみてはいかがでしょう。

茶花、季節の植物

【女郎花(おみなえし)】

日当りのよい山野の草地に生えるオミナエシ科の多年草です。秋の七草の一つとして古くから親しまれてきました。切花にされたり庭に植えられたりします。語源はよくわかっていないようですが、女飯(おんなめし)の意味で、花を粟飯(あわめし)にたとえた、とする説があるとか。茎は直立し60~100cmほど、花は8月から10月頃、茎の先に黄色く小さい集まりになって咲きます。
 茶花としては、悪臭があり、かつては利休居士の歌によまれた禁花の一つでしたが、今ではそれにこだわることなく、秋の風情をつたえる花として茶席でも用いられています。花入は籠が一番似合うようです。

季節のお菓子、食べ物

【川反暦(かわばたごよみ)】

 秋田県秋田市の翁屋開運堂が作る銘菓です。備中大納言小豆とあんこを混ぜ、薄くのばします。そこに小麦粉をまぶして焼きあげて作られます。
 銘は店がおかれる地名「川反」から名づけられました。ほど良い甘さとあんこの味わいから、ながく愛好される和菓子です。

【しじみ】

 しじみはシジミ科の二枚貝の総称をいます。淡水にすむマシジミ、海水のまじる河口近くにすむヤマトシジミ、琵琶湖水系にすむセタシジミがあります。
 昔から、お酒を飲んだあとはシジミ汁がよいとか肝臓病にもよいといわれてきました。その理由は、しじみにはミネラルとビタミン類が豊富で、アミノ酸のメチオニンという成分が肝臓の働きを支えるためだそうです。
 「土用シジミ・寒シジミ」と呼ばれるように、シジミの旬は夏と冬の2回あります。この時期はカルシウムやビタミンが豊富になり、うまみもグっと増すのだとか。選ぶときには、殻がつやつやとしていて大きめで、殻の色が濃く、触れたとき勢いよく殻を閉じるシジミが新鮮とのことです。火にかけるときは、水からシジミを入れ、口が開いたら火を止めましょう。加熱しすぎるとうまみが逃げ、身も小さくなってしまうのでご注意を。シジミのエキスが煮汁に溶けだすので、汁ものにするのが最適です。

茶趣・行事ごと

【定家忌(ていかき)】

 藤原定家(1162-1241)は鎌倉時代の公卿、歌人です。父は千載和歌集の編者として知られる藤原俊成です。父の指導をうけ、後鳥羽院歌壇で活躍しました。「新古今和歌集」「新勅撰和歌集」の撰者となり、歌人としても書家としても有名です。80歳で、8月20日に亡くなりました。そのことから8月20日は定家忌とされ、俳句では秋の季語ともなっています。
 定家の子孫にあたる京都の冷泉家では、定家の日記「明月記」など多くの遺品が公開されました。

【俳句の日】

 8月19日は京都教育大学の坪内稔典名誉教授が制定した俳句の日です。日付は「は=8、い=1、く=9」の語呂合わせに由来するとのことです。この日、子どもが俳句に興味を持つためのイベントなどが行われます。また、この俳句の日の近辺の二日間を使って「俳句甲子園」が開催されます。
 俳句甲子園とは、愛媛県松山市で全国大会が開催される高校生を対象とした俳句大会です。これが一般の俳句大会と異なるのは、5人1組のチームで参加すること。また、議論による俳句の鑑賞力を競うところだそうです。「高校生にしか語れない俳句がある」をキャッチコピーに、俳句の出来映えだけで競い合う俳句大会とは一味違って、高校生自らが参加し、楽しめる大会として定着してきました。1998年に第1回が開催され、2016年で19回目となります。

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