もみじつた きばむ
霜降-楓蔦黄

新暦10月28日 から11月1日
公開日:2018年11月2日

 楓や蔦が色づく季節になりました。毎年、紅葉前線が北から南下してきている様子がテレビなどでも中継されていますね。今はどのあたりでしょうか。
 秋の山が紅葉する様子を「山装う(やまよそおう)」といいます。これは中国北宋時代の山水画家、郭熙(かくき)の言葉がもとになっており、それをもとに四季それぞれに、春は「山笑う」、夏は「山滴る」、秋は「山装う」、そして冬が「山眠る」と、四つの季語が作られています。
 今は山が一年で最も美しく彩られている季節です。

茶趣・行事ごと

11月4日

【弧峰不白忌(こほうふはくき)】

 川上不白(かわかみふはく)(1719~1807)は江戸中期の茶人です。江戸千家流、不白流の祖として知られています。新宮藩(和歌山県)水野対馬守の家臣の子として生まれ、君主の命で紀州徳川家茶頭の表千家七代如心斎宗左に入門。七事式の制定に参画し、大徳寺大龍宗丈に参禅し茶の湯を極めました。後に江戸千家のお茶を広める基礎を築きます。
 毎年、忌日を一ヶ月繰り下げた11月4日に江戸千家家元邸で弧峰不白忌として追善供養の茶会が行われます。

11月3日

【文化の日】

 国民の祝日の一つです。昭和21年のこの日に国民主権、戦争放棄などを定めた日本国憲法が公布されたのを記念し、1948年に制定された祝日です。その趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめるために国民がこぞって祝い、感謝し、記念する日」とされています。この日には文化勲章の授与式が行われます。
 なお、1947年5月3日の日本国憲法施行の日は、同じく国民の祝日の「憲法記念日」と定められていますね。
 また11月3日は、全国的に晴天の日が多い気象上の特異日としても有名です。

季節のお菓子、食べ物

【山川(やまかわ)】

 松江の名物菓子です。しっとりとした口当たりで、ほのかな塩味のついた落雁になります。うっすら淡い紅色と白の二色があります。
 なお山川といえば、茶人として知られている松平不昧公好みの菓子です。特に風流堂の山川は日本三大名菓のひとつに数えられるのだとか。

【平目】

 平目はカレイ目ヒラメ科の海水魚です。成長すると全長 80cmほどになる楕円形で平板状の魚で、眼は体の左側に寄っているのが特徴です。冬のこの時季は「寒平目」といって身がしまり、適度に脂がのって美味しさが増しています。
 平目は消化のよい良質のたんぱく質を豊富に含み、脂肪の量は少なく、胃腸の弱い人や体力の低下している人などに適した魚です。また、高たんぱく低カロリーですから、ダイエットにぴったりのヘルシー食材でもあります。縁側(えんがわ)とよばれるひれの部分はコラーゲンを多く含むため、肌に潤いを与え、保湿効果が期待できます。
 刺身や寿司で美味しくいただけますが、ムニエルや煮付けもいいですね。

茶花、季節の植物

【藤袴(ふじばかま)】

 キク科の多年草です。川岸などに生え、高さ約1メートルほどになります。茎は直立し、葉は三つに裂けて対生するのが特徴です。秋に茎の先に淡い紅紫色の小さな花をたくさん咲かせます。
 藤袴といえば、秋の七草の一つにも数えられています。名前の由来は、「藤」が花の色から、「袴」は花の形が袴に似ていることによるそうです。
 かつては原野や川べりなどに多数自生していましたが、現在は絶滅危惧種に指定されています。一見藤袴かと思ってしまうほどそっくりな野草に同じキク科の鵯花(ひよどりばな)がありますが、こちらは各地の野原に繁茂しています。
 茶花としては、他の秋草と取り合わせて活けるとよいでしょう。とはいえ本物の藤袴はなかなか見かけないかと思いますので、鵯花の方を積極的に活けていきたいものです。

茶の趣向・心配り

掛物

【紅葉舞秋風(こうようしゅうふうにまう)】

 すっかり色づいて枯れかかったもみじの葉が、晩秋の冷たい風に舞っている様を詠んだ言葉です。中国、唐の詩人賈島(かとう)の「秋風渭水に吹けば、落陽長安に満つ」という詩からとった言葉だそうです。すぐそこまで来ている冬を感じさせる、ちょっと寂しげな言葉ですね。

薄茶器

【阿古陀茶器(あこだちゃき)】

 阿古陀と聞いても何なのかピンとこない方も多いかもしれませんが、実際にかたちを見てみると何をモチーフとしているのかわかりやすいのが阿古陀茶器。こちらは阿古陀瓜というカボチャの形を模しています。ふっくらとした形状は、柔らかであると同時に触れるとなお際立つ面白みがあります。この形は阿古陀形(あこだなり)と名づけられており、茶器のみならずぼんぼり、兜などといった多様な日本美術装飾のなかにとりいれられています。

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