しも はじめてふる
霜降-霜始降

新暦10月18日 から10月22日
公開日:2018年10月23日

 朝晩はぐんと冷え込むようになり、北国では初霜が降りる頃合いです。
 言葉としては「霜が降る」という表現が頻繁に用いられますが、実際は霜は降るものではありません。空気中にある水蒸気が地面や草の葉の表面などに氷の結晶として凝結したもので、風が無くよく冷えた早朝に起こる現象です。しかしながら葉や枝がふわりとまぶしたように白い結晶をまとう様は、なるほど天から霜が“降って”きたものを受け止めたようにも見えてきます。
 ところで、この霜と霜柱は別物だということをご存知でしょうか。霜柱とは、地中の水分が地面にしみだして凍ってできる、細い氷柱の集まりのことです。これは凝結ではないので、霜とは別のもの。霜柱は地面の土の状況によってもでき方に差があり、一般に砂地や粘土ではできにくく、関東地方の赤土でできやすいとされています。
 この時季、農家の方はもとより、ガーデニングを楽しむみなさんは気象情報にご注意を。植物のために霜対策に十分気を付けたいですね。

茶趣・行事ごと

【名残りの茶事(なごりのちゃじ)】

 五月からの風炉の季節が終わりになる、このしばしの名残の時季に行われます。本来は前の年の11月に口切された茶壺の茶葉も残り少なくなり、その茶葉への名残を惜しむ、という意味合いがおもでしたが、現在では慣れ親しんだ風炉、道具類への名残りをを惜しみ、風情を感じるという茶事です。
 深まりゆく秋の気配を感じつつ、しみじみと名残りの茶を味わうためには、できるだけ詫びた趣きとなるように道具の取り合わせに心を配ります。

季節のお菓子、食べ物

【柿】

 柿は、カキノキ科の落葉高木で、日本では古くから果樹として栽培されてきました。庭先に実る柿を見ると日本の秋を感じ、しみじみと郷愁を覚えるなど、日本の風土にぴったりな秋の果物ですね。
 古いことわざに「柿が色づくと医者が青くなる」というものがあります。これは柿がとにかく栄養豊富で、柿を食べれば医者に行く必要がなくなるとされるためです。例えば肝臓や血管を丈夫にするタンニン、疲労回復に効果あるカロチン、利尿作用があるので二日酔い予防になるカリウム、万病のもとといわれ風邪の予防になるビタミンCも豊富に含まれています。
 柿は生で食べるのが一般的ですが、大根などと和える、なますもおいしいですね。葉はお茶にしていただけます。また奈良の柿の葉寿司は、葉の殺菌効果を利用した名産品です。
 なお、10月26日は「柿の日」です。全国規模で柿をPRし、消費の拡大、販売促進を図ることを目的に、全国の果樹研究会組織で構成する全国果樹研究連合会のカキ部会が制定しました。秋の味覚、存分に堪能しましょう。

茶の趣向・心配り

掛物

【山色夕陽時(さんしょく せきようのとき)】

 この言葉は「泉声中夜後(せんせい ちゅうやののち)、山色夕陽時」と対句になっています。その意味は泉が湧き出る音は真夜中過ぎに聞くのがよく、山は夕暮れ時に眺めるのがよい、というようなものです。中国・宋代の『虚堂録(きどうろく)』という書物の中の言葉になります。
 夕陽を浴びた山はいつ見ても美しいものですが、特に秋の夕暮れ時の山の姿には風情があります。

風炉

【やつれ風炉】

 風炉の一種です。鉄風炉の上部が欠けたものをいいます。
 もともと鉄の風炉は錆びやすいので、使っているうちに欠けてしまうことがあります。その姿に風情を見出したのが本来の形ですが、今では侘びた景色を出すために初めからそのような形に作られることが多いようです。名残りの季節に「侘び・さび」を表現するものとして取合わされます。

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