こさめ ときどきふる
霜降-霎時施

新暦10月23日 から10月27日
公開日:2018年10月28日

 冷たい雨が、しとしとと降る頃になりました。
 「霎」は音読みでショウ、ソウ、訓読みでこさめと読み、意味は「小雨」や「わずかな雨」です。水が地に刺さるような勢いで降る夏の雨に対して、秋の雨は穏やかで長く続きます。そのせいか、秋の雨は何故だかものさびしさを感じるものですね。
 晴天が続き、秋の草花が色とりどりに咲いて目を楽しませてくれた季節もそろそろ終わりです。一雨ごとに気温が下がって行くのを、肌で感じることができます。

茶趣・行事ごと

【読書週間】

 文化の日を中心にした2週間が、読書の普及を目的とした読書週間の開催期間です。1924年(大正13)図書館週間として発足したのが始まりで、のち図書祭と改称され、戦争中は一時中止されました。しかし戦後すぐにに復活し、49年以後、毎年10月27日から2週間が読書週間となりました。60年には出版関係団体、全国図書館協会、全国学校図書館協議会からなる読書推進協議会が生まれ、良書の推薦や読書感想文の指導など、いろいろな催しが行われています。
 また、2005年7月に施行された「文字・活字文化振興法」に基づき、10月27日の読書週間初日は「文字・活字文化の日」に制定されました。
 テレビやインターネットで毎日大量の情報が流されていますが、これまでの先人の長い歴史が培ってきた活字媒体の書籍の中には、単なる情報だけではない、人類の英知の結晶ともいえる言葉の宝物がたくさんかくれています。そんな宝物を探して、秋の夜長は読書の世界に遊んでみてはいかがでしょう。

季節のお菓子、食べ物

【むらすゞめ】

 むらすゞめは岡山県倉敷市の名物菓子です。明治十年に、倉敷市の橘香堂の初代が考案したもので、土地でお盆の頃に踊られていた豊年踊りに被るイグサで編んだ笠の形と、稲穂の黄金色からヒントを得たものだそうです。小麦粉に卵をまぜた生地を薄く丸く焼き、小豆のつぶ餡をのせて包んだ素朴なお菓子です。名前の由来は、その形が雀が群れ飛んでいるように見える、とこの名がつけられたのだとか。

【桜えび】

 桜えびは深海にすむ体長約4~5㎝ほどの小形のエビです。とくに静岡県の駿河湾は桜えびの産地として有名です。旬は春と秋で、10月下旬から12月下旬までが秋の旬になっています。
 栄養面ではカルシウムが豊富なため、骨粗しょう症の予防や改善に効果があります。ビタミン類も豊富で、疲労回復やストレス緩和に働きのあるビタミンBや、「若返りのビタミン」といわれるビタミンEも含まれています。また、桜えびは他の甲殻類と違って丸ごと食べられるので、殻に含まれる動物性食物繊維のキチン・キトサンを摂ることができます。キチン・キトサンは血中の悪玉コレステロールを下げ、免疫力を活性化させ、肥満防止や整腸作用などに効果があるのだとか。
 調理方法としてはかき揚げやお好み焼きに入れると味わいが引き立ちます。また最近では冷凍技術や流通の進歩から水揚げ直後の新鮮な桜えびを釜で塩ゆでし、そのまま冷凍した釜揚げ桜えびも出回っていますね。

茶花、季節の植物

【葦(あし)】

 葦はイネ科の多年草です。沼や川の岸に大群落を作って生えています。高さは2~3mになり、茎は堅く、円柱形で、細長い葉が互生し、根茎は土の中深くに伸びて広がります。秋に穂が出て紫色から紫褐色に変わります。若芽は食用になり、茎はすだれの材料になります。
 葦は“あし”と読むと同時に、“よし”とも呼ばれます。これは、あしの音が悪し(あし)に通じるため縁起が悪いとされるためです。よしと呼べば善し(よし)に通じるとされ、こちらが好まれることもあります。
 茶花としては、他のいろいろな花物にそえて用います。

茶の趣向・心配り

掛物

【閑坐聴松風(かんざして しょうふうをきく)】

 意味は、静かに坐して松風を聞く、ということです。日頃の雑念を捨てて、しばし心静かに座ってみれば、それまで見えなかったものが見え、聞こえなかった音も聞こえてくるものだ、ということでしょうか。
 「松風」といえば、古典文学では侘びしい海岸の風景を表しています。また和歌においては「待つ」の掛詞です。そして茶の湯では釜の煮えたつ音を松風と呼びます。音の少ない茶席で耳に届く松風により、ひときわ静寂の美しさを感じることでしょう。茶道の基本の精神のひとつであることから、茶席にはよくこの言葉の軸物が掛けられます。

 晩秋のこの季節、蘆(葦)にゆかりの言葉がいくつも存在しています。
 例えば「蘆刈(あしかり)」は、蘆を刈り取る晩秋から冬にかけての風景、または刈る人のことをいいます。また、「蘆火(あしび)」は、刈った蘆を燃やして暖をとること、「蘆刈小舟(あしかりおぶね)」は刈った蘆の束を運ぶ舟のこと、「蘆間の舟(あしまのふね)」は、その舟が蘆のまにまに見え隠れしている、その風景のことを示しています。
 風に吹かれて揺らぐ蘆の姿に、秋の風情を感じますね。

全てのお便りの一覧へ
このお便りの先頭へ

このお稽古にしおりをつけました。
しおりのページでまとめて見れます。

残りのしおり数を増やすには?