にじ かくれてみえず
小雪-虹蔵不見

新暦11月17日 から11月21日
公開日:2018年11月22日

 吹く風も冷たさを増し、いよいよ冬の到来です。空に陽気が消え、空気中の水分もなくなり、気が付けば虹を見かけなくなりました。この時季は二十四節気の小雪(しょうせつ)の初候に当たります。
 高い山や北国からは、降雪の便りが届くようになりました。まだ本格的な冬にはなっていませんが、平地でも木枯らしが吹きだしています。

茶趣・行事ごと

11月22日

【大徳寺開山忌献茶】

 11月22日は京都・紫野大徳寺開山の大灯国師宗峰妙超(しょうほうみょうちょう)の忌日にあたります。
 宗峰妙超(1282~1337)は鎌倉後期の臨済宗の僧です。播磨(現在の兵庫県)の生まれで、大徳寺を創建した僧として知られています。大徳寺は戦国時代、千利休をはじめ多くの茶人との交流があり、茶道と深いかかわりがある寺です。開山の祖の忌日にあたるこの日には、大徳寺において開山忌法要が営まれ、毎年交替で表千家、裏千家、武者小路千家の三千家家元による献茶式が行われます。

11月26日

【ペンの日】

 1935(昭和10)年の11月26日、日本ペンクラブが創立されたのを記念して同クラブが制定した記念日です。日本ペンクラブは、ロンドンに本部をもつ国際ペンの日本センターとして1935年に創立されました。
 ペンクラブは、文学を通じて諸国民の相互理解を深め、世界各国の文筆家の親善を通し、言論や表現の自由を擁護することを目的とした国際的な文学者の団体です。ペン(PEN)の意味は、文字を書く道具としてのペンのことを表わしていますが、それとともに、平和を希求し、表現の自由に対するあらゆる形の弾圧に反対するとの精神に賛同するP(詩人、俳人、劇作家)、E(エッセイスト、エディター)、N(作家)の団体という意味もあるのだそうです。
 日本ペンクラブは独立自尊をモットーに、長く日本の言論界をリードしてきました。初代会長は島崎藤村で、現会長は作家の浅田次郎氏です。

季節のお菓子、食べ物

【唐板(からいた)】

 水を加えた砂糖を飴状に炊いた中に小麦粉と卵を混ぜ、餅のように練ります。これを1.5㎜ほどの薄さにのばし、短冊形に切りそろえ、鉄板にごま油をひいて両面 を焼き、やわらかいうちに形を整えます。表面 に鉄板の焼き目がつき、水玉模様のアクセントができるのが特徴です。
 貞観5年(863年)京で疫病が流行し、これを鎮めるために清和天皇が疫病よけの「唐板煎餅」というものを神前に供えられたと伝えられています。応仁の乱後、上御霊神社の境内で茶店を始めた水田玉雲堂の初代が、長く絶えていたその清和天皇ゆかりの厄病除けのお菓子を再現したのが今に伝わる唐板だとか。
 遣唐使が持ち帰ったといわれる、古いお菓子の形を今に伝えている唐板は、現在でも茶道の三千家はじめ茶人に親しまれている素朴なお菓子です。

【甘鯛】

 スズキ目アマダイ科の海水魚の総称を言います。南日本のやや深海に住み、前頭部が丸く突き出ているのが特徴で、全長は約30㎝ほどになります。
 主に京都では「ぐじ」、静岡では「おきつだい」と呼ばれ、高級な海産魚として知られています。特に福井県若狭湾産の甘鯛は京都で「若狭ぐじ」と呼ばれ、京料理には欠かせない食材となっています。
 甘鯛は水分を多く含むため塩を振って身を締めると美味しくなります。酒を塗りながら時間をかけて焼いた「若狭焼き」が一番おいしい食べ方とも言われています。ほかに蒸し物、揚げ物、昆布じめなどもいいですね。

茶の趣向・心配り

掛物

【冬嶺秀孤松(とうれい こしょうひいず)】

 冬になり、寒々とした山のみねに緑の松が一本だけ高くそびえているのが見える、というような意味です。冬の物寂しさの中、松の凛としたたたずまいに趣きを感ずる、この季節によく合う言葉ですね。『陶淵明詩集』 の中の「四季の詩」という詩の中の言葉です。

水差

【芋頭(いもがしら)】

 南蛮水指の一種で大きく丸い胴が特徴的なのが芋頭です。「芋頭」とは里芋のことで、確かに芋を思わせる素朴な逞しさがありますね。備前や瀬戸で作られるほか、染付の作も多く、その場合には悠々とした絵付けがなされていることも多いです。

全てのお便りの一覧へ
このお便りの先頭へ

このお稽古にしおりをつけました。
しおりのページでまとめて見れます。

残りのしおり数を増やすには?