なつかれくさ しょうず
冬至-乃東生

新暦12月17日 から12月21日
公開日:2016年12月22日

草木がみな枯れている中で、夏枯草(かこそう)だけが緑色の芽を出し始めるころとなりました。夏枯草は「なつかれくさ}ともいい、靭草(うつぼぐさ)の別名です。乃東と書いて「だいとう」と読み、これは古名に当たります。靭草はこの時季に芽を出し、夏至のころに枯れます。
 二十四節季の冬至の初候にあたるこの時季は、昼の長さが一年で一番短くなるころです。2016年の冬至は12月21日に当たりましたが、この日を境に翌日からは太陽の力が復活していくことから、中国では古くから冬至のことを「一陽来福」(いちようらいふく)ともいい、冬至が過ぎれば運気が上がっていくと考えたのだそうです。寒さの本番はこれからですが、ゆず湯や南瓜で体を整えて、あわただしい年末もプラス思考で乗り越えたいですね。

茶の趣向・心配り

掛物

【知足(ちそく)】

 「知足」とは「足ることを知る」ことです。老子(中国・春秋戦国時代の思想家)の著書と伝えられる道家の経典『老子』の中の「足るを知る者は富む」という一文からの言葉で、「自分の分をわきまえて、それ以上のものを求めず、分相応のところで満足する」というような意味です。
 今年も終わろうというこの時季、一年を振り返ってみると、すべて望みがかなったわけではないけれど、ともかくも無事に過ごし、年の瀬を迎えることができたことにまずは感謝したい、という気持ちになってくるものですね。

茶碗

【筒茶碗(つつぢゃわん)】

 普通の茶碗よりも深めの円筒形の茶碗です。深めを深筒、浅いものを半筒といいます。茶の湯では冬季に用いられることが多い茶碗です。器が深い分、温かさが保たれるので、冬にもお茶が冷めにくくなっています。また、手で包み込むようにして飲むので、お茶の温もりが伝わってくる、寒い季節に適した茶碗です。

茶花、季節の植物

【榛の木(ハンノキ)】

カバノキ科の落葉高木で、高さは20mほどにもなります。湿地を好み、日本全土の川原、山地の谷沿いの斜面などに自生しています。葉は長楕円状の卵形で先がとがり、縁が鋸歯状になっています。ハリノキ、ヤチハンノキともいわれます。雌雄同株で、冬に雄花が枝先に細長く垂れた穂を付け、雌花は小さな卵型で、開花時には前年の果実が松かさのような形で雄花の下についたものがみられます。
 茶花としては、細長く垂れた雄花の穂、または松かさのような果実を用います。

季節のお菓子、食べ物

【聖夜(せいや)】

 和菓子のなかに西洋行事クリスマスにちなんだものも存在します。緑色に染めたきんとんを円錐状の腰高に作り、これがツリーです。そこに赤、白、青、黄と色とりどりのこなしの玉で飾りつけをします。頂には琥珀色に輝く寒天製の星をのせて、かわいいクリスマスツリーが仕上がりました。

【韮(にら)】

韮はユリ科の多年草で、原産地は中国南部から東南アジア地方といわれています。日本でも古くから栽培されてきた野菜で、『古事記』や『日本書紀』にも登場しています。一年を通して店頭に並びますが、冬から春にかけて葉がやわらかく、おいしくなります。
 韮は各種ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、特に含有量が多いカロテンはのどや鼻の粘膜強化に効果があります。また、ちょっと気になるあの特有のにおいの物質・硫化アリルは血行を高め、内臓の動きを活発にしてくれるのだとか。これからの季節、韮に含まれるカロテンや硫化アリルのパワーで風邪を予防し、忘年会で疲れ気味の胃腸も整えたいですね。
 ビタミンの効率を考えるなら、生のまま使ったほうがいいのですが、匂いが気になるようなら下ゆでしてから調理するといいでしょう。定番のレバニラ炒めや鍋物、体に優しい韮のお粥もよいですね。

茶趣・行事ごと

【終い天神】

 毎月25日、京都の北野天満宮では縁日が開かれます。これは祭神・菅原道真公の誕生日が6月25日、そして逝去が2月25日ということからの習わしです。特に12月25日はその年最後の「終い天神」として、一年を締めくくる恒例神事に全国から参拝者が訪れます。境内の参道周辺には植木や骨董品などとともに注連飾り(しめかざり)や数の子など正月用品の露店も軒を連ね、毎年大変な賑わいとなります。

【クリスマス】

 12月25日、キリスト教国ではイエス・キリストの誕生を祝う降誕祭として祝日となります。イブの夜からミサを行い、当日は家族で過ごすのが習わしです。もともとはキリスト教以前から多くの民族でみられた太陽の再生を祝う冬至の祭りが始まりで、それとキリスト教が融合したのだといわれています。
 一方、日本では明治以降、宗教にかかわりなく楽しい一年のイベントの一つとして、バレンタインデーやハロウィンパーティーなどに先だって定着してきた年中行事です。近年では札幌、東京、神戸などクリスマスに合わせたイルミネーションが街を彩るイベントも全国各地で行われるようになり、賑やかな歳末風景となっています。

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