ゆきわたりて むぎのびる
冬至-雪下出麦

新暦12月27日 から12月31日
公開日:2016年12月31日

 新年あけましておめでとうございます。
 新暦での年明け“1月1日”からは、「雪下出麦」の候。言葉の通りに、雪の下で麦が芽を伸ばしている様を表しています。
 麦はまたの名を「年越草」とも呼ばれます。これは麦が秋に発芽し、雪の季節をへ経て年を超えてから実りに至るため。年を超えても、全ての事がリセットされるわけではありません。前の年からの思いを抱きつつ、新たなる展望へと躍進しましょう。

茶の趣向・心配り

掛物

 新年の慶びを一語に込めて、「寿」「鶴」「亀」「祝」などを用いる家も多いです。また、一家や流派に伝わる来歴を表すようなものや、その年の目標を掲げるのも適しています。

【松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)】

 松の葉の緑が千年を経ても変わらないように、慶事が千年を超えて永く続くよう祈った禅語です。
めでたい席では祝いの意味を込め、“樹”の一字を“寿”に書き換えることもあります。
 松竹梅ともいわれるように、松は祝い事に頻繁に登場する樹木となっています。松の風雪にさらされても変わらぬ姿に、人々は永遠性と生命力を重ね見たのでしょう。出典:『続伝灯録』

香合

【振々香合(ぶりぶりこうごう)】

 子どものおもちゃである振々毬杖の形をした香合です。平安時代に始まった遊びで、江戸時代頃まで記録に残っていますが近年では見かけることはなくなりました。木製の槌を用いて毬を相手の陣営に打ち込むという内容で、魔よけの意味合いを持つとされています。振々香合とはこの遊びにおける槌のかたちを香合に仕立て、松竹梅などの目出度いあしらいを施したものを指します。
 基本的に節句や正月の時にのみ用いる縁起物であり、床の間の飾り香合として好まれます。

茶碗

【大福茶碗(おおぶくちゃわん)】

 新年の茶行事「大福茶」で用いる専用の茶碗です。一度にたくさんの茶を点てるためのものであり、“大服”が“大福”に通ずるとして縁起が良いとされています。王服茶碗や皇服茶碗などと呼ばれることもあります。

茶花、季節の植物

【万両】

 色の少ない冬の景色の中で、万両の実は赤々とまばゆいばかりです。万両は「千両万両」とセットで扱われることも多く、正月飾りに頻繁に登場します。実は千両万両の他にも、百両・十両・一両といった品種もあり、見分けは実の数で行うことができます。数が大きいものほど実の数も多く、たわわになっているのです。名からも感じるようにお金関係の縁起木であり、万両を飾ると金運を呼び寄せ商売繁盛に繋がるとされています。

季節のお菓子、食べ物

【餅】

 新年といえば、やはりお餅。網で焼いたりお雑煮やお汁粉に入れたりと、色々な味をまとってお腹を満たしてくれます。
 お正月にお餅を食べる伝統の始まりは、平安時代まで遡ります。宮中での年始行事に「歯固めの儀(はがためのぎ)」というものがあり、そこで食されていたのがお餅です。歯固めの儀は固いものを食べることで健康と長寿を願うという儀式で、特にお餅は米から作られることから神聖な食べ物であるとされていました。祝いの日に神様にお餅を捧げ、それを下ろした後に皆で食べる事で、今度は神様の力を身体にいただけるとされています。

茶趣・行事ごと

【若水汲み】

 元旦の早朝、一年で最も初めに汲む水を“若水”と呼びます。若水には生命力が込められており、飲むと邪気が払われ若返ると言われています。地方によって様々ですが、一般に若水を汲むのは一家の年男の役割とされており、その間は一切の言葉を話してはいけないというしきたりもあります。なお、若水を汲むのに最適な時間は早朝4時。この時刻に水は最も澄み渡るそうです。

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