かみなりすなわち こえをはっす
春分-雷乃発声

新暦4月1日 から4月5日
公開日:2017年3月30日

 雷が鳴り始める頃のことです。
  3月から 5月頃に発生する雷を「春雷」といいます。この雷雨は季節の変わり目特有の、寒冷前線が通過時に発生することが多く、よく雹を伴います。春の到来を伝える雷ともいわれています。
 雷鳴に驚き、冬眠していた地中の虫たちが目ざめるという理由で、立春後に初めて鳴る雷には「虫出しの雷」という呼び名もあります。 春雷とともに恵みの雨がもたらされ、生き物たちが活発に活動をはじめる時季ですね。

茶の趣向・心配り

茶碗

【金海茶碗】

 高麗茶碗の一種です。高麗茶碗とは高麗時代末期から朝鮮王朝(李朝)時代にかけて朝鮮半島で焼かれた茶碗の総称ですが、特に金海茶碗は朝鮮王朝時代の後期に日本からの注文を受けて慶尚南道の金海地方で焼かれた茶碗のことをいいます。
 特徴は全体に陶器質の薄づくりで、口部を桃形、洲浜(すはま)形、こばん形などにゆがめた大ぶりな茶碗と、外側に細かいひっかき傷のような線を施した「猫掻手(ねこかきで)」と呼ばれる小ぶりなものとがあります。金海茶碗の名物には桃形の「西王母」や「東方朔」、また洲浜形の「藤浪」などがあります。季節柄、金海桃形茶碗などいかがでしょうか。

 花関連の銘が多いこの時期ですが、他の趣向も試してみてはいかがでしょう。例えば「佐保姫」は、春を表す女神の銘です。奈良の佐保山におり、秋を司る竜田姫と対をなすとされています。霞で衣を織り、葉を色づかせ花を咲かせることができるとのこと。
 春の佐保姫について、平兼盛が以下のような歌を詠んでいます。

 佐保姫の糸染め掛くる青柳を吹きな乱りそ春の山風  『詞花集』

 意味としては、「春の山風よ、吹き荒れないでおくれ。佐保姫が染めた糸をかけておいた柳が乱れてしまう(糸=柳の葉のことで、佐保姫の織物が人にとっては柳に見えると例えている)のだから」というものです。

茶花、季節の植物

【白木蓮(はくもくれん)】

モクレン科の落葉小高木です。中国中部原産で、古くから日本でも庭木として植えられてきました。葉は広い卵形で、葉に先立って早春、枝先に花が咲きます。大きい白色の六弁花で、とても良い香りがします。花弁とほぼ同じような形の白色のがくが3枚、外側に付いています。
 茶花としては、花が大きく派手目なので、つぼみのものを用いるのがよいかもしれません。

季節のお菓子、食べ物

【花見団子】

 花見の際に食べるだんごで、特に薄紅色・白・緑の3色だんごのことをいいますが、お茶席では薄紅色・緑・茶のだんごが用いられます。これは、それぞれ桜の花・葉・木に見立てたもので、3色のこなしを使った上品な味わいのお菓子です。串だんごは鉢よりも盆や皿、田楽箱などに盛るのがよいでしょう。

【細魚(さより)】

 3月から4月にかけてが旬であり、春告魚のひとつであるとされているのが細魚です。漢字は「鱵」、「針魚」などといった書き方もあり、その字面からも想像されるようにとても細い姿をもっています。ちなみにサヨリやキスは外見こそ美しい銀鱗なのですが、体内ははらわたを取り出しても真っ黒な薄膜が張りついています。これが『腹が黒い(見た目と異なり、腹黒い)』の語源となったそうです。
 味としては、脂肪が少なくさっぱりとした上品な味わいが魅力です。クセが少ないのであらゆる調理で美味しくいただくことができます。例えば刺身、天ぷら、塩焼き、唐揚げなどなど。はらわたの処理だけ行い、アルミホイルでくるりと巻いて蒸し焼きにしたり、バタームニエルにしてしまうのもおすすめです。

茶趣・行事ごと

【宗徧忌(そうへんき)】

 山田宗徧(やまだ・そうへん)(1627~1708)は 江戸前期の茶匠で、千宗旦の高弟である宗旦四天王のひとりであり、宗徧流の祖です。
 東本願寺末寺の京都長徳寺に生まれ、小堀遠州・千宗旦に茶を学び、三河吉田藩主小笠原家に茶頭として仕えました。『茶道便蒙抄(ちゃどうべんもうしょう)』『茶道要録』などの啓蒙書を著し,晩年には江戸に出て利休正伝の茶法を広め、茶の湯の普及に努めました。宝永5年4月2日、82歳で亡くなりました。
 この日、鎌倉の宗徧流家元では流祖像に慰霊の茶を供え、その遺徳を偲びます。

【エイプリルフール】

 4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許される、という風習のことをいいます。ユニークな内容の為か、諸説でている風習となります。もとは西洋もしくはインドに始まるとされており、日本には江戸時代に中国から伝わったといわれています。江戸時代には、この日は「不義理の日」といい、義理を欠いている人にお詫びをする日だったとか。
 “エイプリルフール”という言葉は大正時代に定着し、その頃からうそをついてもとがめられない日として認知されてきたようです。フランスではポアソンダブリル(四月の魚)とよばれ、魚の形の菓子を食べたり、魚の形の紙をこっそり相手の背中に貼るいたずらをしたりする慣習があるそうです。
 基本的にうそをつくのは良いことではありませんが、人を幸せにする素敵なうそ、思わず笑顔になってしまうかわいいうそなら、この日ばかりは良いのかもしれませんね。

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