茶道便り

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小寒-雉始雊

きじ はじめてなく
公開日 :2020年01月15日

 「雉が初めて鳴き声をあげる頃」という名の候ですが、実は実際に鳴き始めるのはもっと先のこと。だいたい3月から4月頃が雉の鳴き初めです。雉が鳴くのは求愛のためで、オスがメスを求める際に「ケーンホロロ」と特徴的な声をあげます。雉はまたの名を「妻恋鳥(つまごいとり) 」とも呼ばれ、これは『万葉集』に載る大伴家持の和歌がもととなっています。

  春の野に あさる雉の妻恋に 己があたりを 人に知れつつ

 古来より雉は狩りの対象であり、その鳴き声を導として矢を放ちました。この歌は大伴家持が、『雉は春の野原で餌を探しているときも、「妻が恋しい」と鳴く。だから人(狩人)に居場所を知られてしまう』と憐れんだものです。それほどまでに夫婦の絆が強い雉。なかなか意識することはありませんが、国鳥であり多くの市町村の指定鳥でもあります。都市部ではあまり見かけることはありませんが、目にしたら妻を求める声に耳を澄ませてみてはいかがでしょう。


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公開日 :2019年05月26日
小満-紅花栄
べにばな さかう

 紅花の花がさかんに咲く頃のことです。
紅花はキク科の1年草で、アザミに似た形の、紅黄色の花を咲かせます。紅花の古名は末摘花(すえつむはな)といいます。花が開くと早朝に摘み取り、染物に用いることからこの名がつけられたのだとか。
 ちなみに末摘花といえば、「源氏物語」に登場する女性の一人がこの名をあてられています。作中で最も醜いと描写されていますが、純真な心から光源氏に最期まで添い遂げ続けた女性です。その彼女が光源氏に“末摘花”と呼ばれた理由は、「鼻が末摘花のように赤いから」です。平安の頃から、赤の染料として代表的であったことがうかがえます。
 この紅花の原産地はエジプトで、日本へは6~7世紀に中国から渡来したようです。江戸時代には口紅用に、また紅の染料としてさかんに栽培されました。紅花に含まれる赤の色素は大変少なかったため当時「紅一匁(いちもんめ)金一匁」といわれるほど高価なものでした。
 現在では山形県を中心に観光用に、また種子を絞ったサフラワー油の原料として栽培されています。
 紅花が畑に明かりを灯すように咲きだすと、あたりの木々はより一層緑を濃くしていきます。

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